あの瞬間をたゆたう
One-Minute Eclipses Collection
One-Minute Eclipses Collectionには、60種のシーンがコレクションされています。
シーンの1つ1つは「ある瞬間のきもちいい体感の変化」を抽象化し表現したもので、トップページに一覧として掲載しています。
これらのシーンには各解説ページが設けてあり、トップページのシーン一覧からアクセスすることが出来ます。

One-Minute Eclipses Collectionとは?
One-Minute Eclipses Collection = “1分”のコレクション
このサイトは、「きもちいい、あの瞬間」を特別な瞬間として1分間に落とし込み、コレクションとしてまとめています。
Eclipsesは“蝕”。
「きもちいい、あの瞬間」が1つ1つ、かけがえのない特別な一瞬として輝くことを示し、その様子は“蝕”のように見えることから名付けています。
わたしは、「きもちいい」という感覚にこだわりを持っています。
日頃からストックしておいて、いつでも引き出して味わいたいのです。
そのために、日々心の中に集めていた「きもちいい」をコレクションとして表現したい、と考えました。
「きもちいいあの瞬間」を可視化し残すことで、より彩り豊かな人生を送れるのでは、と思ったのです。

「きもちいい」を表現するために
「きもちいい」と一言に言っても、その種類は様々です。
ある人にとっては気持ち良くても、別の人にとっては気持ち悪い、など個人差が大きい種類のものもあります。
そこで、多種多様な「きもちいい」の表現をするため、2種類の切り口から「きもちいい」の表現を考えました。
① 8種類の感情による動的チャート
② 20種類のタグ付けによる印象ラベリング
① 8種類の感情による動的チャート
「きもちいい」時にはどのような感情が湧き出し渦巻いているのか。
それを可視化するために、感情を8種類に分類し、感情の変化を分析したレーダーチャートを作成しました。

感情をポジティブ感情とネガティブ感情の2種類に大別し、ポジティブ感情は「楽・喜・満・安」の4種に、 ネガティブ感情は「怒・哀・怖・厭」の4種にそれぞれ項目を設定しました。
「海を眺める」のように比較的緩やかで感情の変化が少ない気持ちよさもあれば、「1杯目のビール」のように不快感や枯渇感などのネガティブ感情が急速にポジティブ感情になることで発生する気持ちよさもあります。
そのような感情のせめぎ合いを各シーンごとに分析したものになります。
各項目の代表的な感情例

この動的チャートを元に、1本の円環の線としてさらに昇華させたものがOne-Minute Eclipses Collectionです。
チャートと円環の動きに規則性を持って連動させることにより、「きもちいい」という流れの体感をできるだけ抽象化して表現することを試みました。

以下3点は、動的チャートと円弧の相関関係をまとめたものです。
円弧の長さは感情の変化の速さ を表します。

線が回る向きは、感情変化がポジティブかネガティブか、を表します。

色がついている時は、一際感情が高まっている時を指します。


「きもちいい」を分析する
わたしは、「きもちいい」という感覚を“流れる感覚”だと考えます。
多様な速度感を持って、身体の中を流れていく感覚こそが「きもちいい」のです。
ゆったり緩い“流れ”であれば、それは“揺らぎ”であり、心地いい感覚とも言えます。
突き抜けるような突然の“流れ”であれば、それは“爽快感”や“高揚感”となって、駆け抜けていきます。
人間の体感は通常、自分の体を通して認識している範囲に留まっています。
視野などに顕著なように、物理的な身体の枠を乗り越えることがなかなか出来ません。
しかし、あるきっかけで感情が上向きに動き、身体の枠を超えた体感の拡がりを感じた時、
それが自分にとってポジティブな体感であれば「きもちいい」となります。
その時に起こるのが、“流れ”であり、拡がった空間との融和です。
「流れて拡がる変化」そのもの、そして融和による「解放感」が「きもちいい」なのです。

ポイントは3つあります。
① 人間の体感は常に相対的なもの
「きもちいい」は変化そのものの体感なので、時間軸で言えば“前と後” が必要となります。
変化前と変化後が在り、その差分が「きもちいい」。
人間の体感は、常に一瞬前の過去の状態を基準としています。
だからこそ、変化を感じることができるのです。
② 感覚の変化がポジティブであること
ある事象によって刺激を受けた時に起こる体感の変化が、“その人にとって”ポジティブなものでなければなりません。
一部、ホラー映画や、ジェットコースターなど「恐怖」や「ゾクゾク感」がきもちいいと見る見方もありますが、興奮的なものは体感の個人差が大きく、一般的に「きもちいい」ものとするのは難しいでしょう。
そこで、今回はなるべく多くの人が「きもちいい」と思えるようなシーンを厳選することを心掛けています。
③ “流れ”の速度感
重要なのは、「流れるスピード感」と「自分の今の身体の調子」が親和していること、です。
身体の内部では常に巡りがあり、身体は流れで出来ています。
身体内の流れ方と、事象の流れが一致した時が「きもちいい」。
それらは互いに寄り添っていくものですが、あまりにも乖離していると「きもちいい」体感に至ることは難しいでしょう。
では、どのようにして「きもちいい」体感は生まれるのでしょうか?
なにかしらの事象という“理由” によって「きもちいい」は始まります。
これらは以下のように分類できます。

これらのきっかけを元に人間の体感は“流れ”始めます。
共通するのは、「流れ」が発生していること。
「きもちいい」体感は“流れる時の速度感・リズム感”によってどんなきもちよさかが変わります。
一見「流れ」が発生していないように見える現象でも時間や温度など変化は微細に発生しています。
その「揺らぎ」を人間は細胞レベルで感じているのです。
自分の中で何らかの刺激によって、“流れ”の体感が起きる。
そして、境界線がなくなっていき、融けるような感覚が生まれ、自身の枠組みを超え、体感の拡がりを感じる。
この大きな変化そのものが「きもちいい」という体感なのです。